第46章

林澤明美は期待に胸を膨らませながらも、緊張と恐れを感じていた。

しかし、古江直樹はこれ以上近づいてこなかった。期待していたキスはなく、冷たい問いかけだけが彼女を迎えた。「あの夜、本当にお前だったのか?」

古江直樹は林澤明美に対して疑念を抱き始めていた。彼は林澤明美に近づこうとしたが、少しの欲情も感じられず、あの夜の感覚を取り戻すことができなかった。

突然の問いかけに、林澤明美は顔色を失った。

林澤明美は目を開け、目の前で冷ややかな表情を浮かべる古江直樹を見つめ、心の中で不安に押しつぶされそうになった。

「は、はい、私です、古江さん、どうしたんですか?」林澤明美は冷静を装った。「私の...

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