第195章

彼はその箱を開けると、中には精巧なダイヤモンドのブレスレットが横たわっていた。

山田澪はまつげを震わせ、がっかりすべきか、それとも安堵すべきか分からなかった。

北村健は勝手にそのブレスレットを取り出し、彼女の手首に巻きつけた。「前回誕生日プレゼントとして買ったものだけど、渡すのをずっと忘れていた。今日は埋め合わせということで」

言い終わると、彼はブレスレットを留めた。少し大きいようだった。

彼女の手のサイズに合わせてオーダーメイドしたはずなのに、付けてみるとなぜか一回り大きく、手を上げるだけで手のひらまで落ちてしまう。

北村健は眉をひそめた。

山田澪はこのブレスレットをじっと見つ...

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