章 338

「その後、もう一人が入ってきたが、林隽は顔を上げて見ることもなく、その人も何も言わず、同じく前の扉側に座った。

九時過ぎになると、照明がちらちらと明滅した。うとうとし始めていた林隽は、物音に気づいて一気に目が覚めた。

「うわ、また来やがった！」

「外に出なければ大丈夫だ！」

「見に行こうぜ！」

「行きたいなら、お前が行けよ！」

数人がわいわいと騒いでいると、外から突然、啼き声が聞こえてきた。

林隽は飛び上がるように立ち、すぐに裏口から飛び出した。彼が急に立ち上がったのを見て、おそらく驚いたのだろう、中にいた人たちが叫んだ。「誰だ、中にいるのは！」

彼はすでに外に走り出ていた。再び泣き...