章 70

秦越のそんな言葉を突然聞いて、楚潇は彼が良い人なのか悪い人なのか、また分からなくなってしまった。

確かに秦越はさっき自分を救ってくれたけど、もし狼の群れから抜け出したと思ったら今度は虎の穴に入ってしまったとしたら?結局、不幸を被るのは自分だ。

楚潇は恐る恐る尋ねた。「秦越、あなたが私を助けてくれたのは本当に親切からなの?それとも何か企んでるの?」

秦越は思わず溜息をついた。心の中で、今時は善行を施すのも難しくなったものだなと思いながら、胸を叩いて答えた。「安心してよ、冗談を言っただけさ。怖がらせちゃったね」

楚潇はようやく安心し、澄んだ大きな瞳をパチパチさせた。袁虎のさっきの行為を思い...

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