章 93

「こんなに壮大で雄大な景色を見るのは何年ぶりだろう」私はすっかり見とれてしまった。

そのまま甲板に寝転がり、瞬きひとつせずに星空を見つめていた。日常のあらゆることが、この壮大な星空に比べれば取るに足らないものに思えた。

長い間そうして横になっていると、音楽が止み、叔母さんが頬を少し赤らめながら上がってきて言った。「小寧、もう寝る時間よ」

私は急いで答えた。「わかったよ、叔母さん。先に寝ていて、もう少しここにいるから」

叔母さんは一言返事をすると、小声で言った。「船のWi-Fiに繋いでおいてね。パスワードは8が8つよ。でないと携帯の電波が入らなくて、夜中に連絡したくても連絡できな...

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