章 676

「わたし、ごめんなさい。期待しすぎたのかもしれないから、こんなに失望してるんだと思う。それと赤ちゃんのこと、あなたが連れてきた子だから、時間を見つけて送り返してあげて」

「私も出ていくわ。これからは自分のやり方で、失ったものを取り戻すつもり。いろんなことが起きて、たくさんのことを学んだわ。逃げれば逃げるほど、失うものが増えていくんだって。ふふ、割り切れることも、割り切れないことも、今はすべて悟ったわ」

そう言って彼女はソファからゆっくりと立ち上がった。林川は思わず彼女の手を掴んだ。「姉さん、行かないで」

彼女は首を振り、小さな声で言った。「もうこの場所に一片の希望も持てないの。怒りに任せ...

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