章 1124

趙天明は普段から練習を積んでいたため、技の使い方を熟知していた。

趙天明の攻撃をかわした相手が突然、踏ん張ったばかりの趙天明の中段に蹴りを放った。踏ん張ったところに中段攻撃を受ければ、いかに危険かは想像に難くない。

その瞬間、趙天明は回避も受け止めもできないと悟り、咄嗟に体を真っ直ぐに伸ばして両膝を地につけ、体を後方へ倒していった。

この後方への受け身は最も習得が難しいため、趙天明は両膝を地につけて素早く体を後ろに倒して地面に背中をつける動きで代用した。

この姿勢は趙天明のお気に入りだった。通常の後方受け身より素早く体勢を立て直せ、より柔軟に動けるからだ。

趙天明は後ろに倒れながらも...

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