章 514

趙天明の呼吸は一気に貝宝児よりも荒くなり、こっそりと彼女を見上げると、顔は紅潮し、目をきつく閉じ、黛色の眉を寄せ、玉のような歯で赤い唇を噛みしめていた。何かに耐えているかのようだ。

彼女も我慢できなくなっているようだ。趙天明の顔は真っ赤に染まり、目に浮かぶ狂喜の表情は言葉では言い表せないほどだった。

例えるなら、趙天明の今の気持ちは、路上生活寸前の物乞いが五百万を当てた時よりもさらに興奮し、高揚していた。

貝宝児は老海で最も優れた女性とは言えないかもしれないが、彼女のような女性に惹かれる男は彼だけだった。

老海の男たちを狂わせるこの女性を押し倒せるなんて、彼だけでなく、どんな男でも興奮...

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