章 936

「秦茹は、赵天明にとって他のどんな女よりも、むしろ道具のような存在だ。男の欲望を満たすために自在に姿を変えられる、しかも今は自分だけのものだ。そう思うと本当に幸せな気分になる。

そんな思いから赵天明は急いで彼女の上半身を抱き寄せ、熱烈なキスを交わした。外出時に塗ったリップのせいか、彼女の唇は今、とても柔らかく、口内も湿っていた。赵天明は舌を伸ばし、彼女の口内を精一杯探索した。

彼女も口を閉じて赵天明の舌を吸い込んだ。彼女の口から離れる度に、彼女が赵天明の舌を吸う音は、まるでラーメンをすするような心地よい音を立てた。

普段ならこの音を聞くだけで食欲をそそられるが、今このような状況では、赵天...

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