章 2436

安二虎は適当に言い訳した。

安二虎の話がそれらしく聞こえたうえ、東洋人の顔立ちをしていたため、男はもう疑わなくなり、安二虎の後ろを指さした。「ほら!あそこが大統領の執務場所だ。大統領は二階にいる。上に行って警備員に聞けばわかるさ」

「ありがとう!」安二虎は慌てて頭を下げると、すぐに建物の中へと足を向けた。長話をすれば何かボロが出るかもしれないと心配したからだ。

案外、本当に彼の嘘を信じてくれたらしく、数人の警備員はそのまま先へ進み、もう彼のことは気にしていなかった。

建物に入ってから、安二虎は中に入館手続きが必要なのを見て取った。当然、誰かに「大統領の執務室はどこですか?」などと尋ねる勇...

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