章 360

鐘九珍は怒りを含んだ目で言った。

「宋忠平はもう狂気の沙汰だ。我が鐘家がここまで落ちぶれても飽き足らず、根絶やしにしなければ気が済まないとはな。この老骨に鞭打ってでも、奴らと最後まで戦い抜くつもりだ!」

鐘玉は華夏に戻るとすぐに事の経緯を祖父に報告した。鐘九珍と鐘玉の血縁関係は宋家が意図的に外部に漏らしたものだった。それによって生じた深い恨み、鐘九珍がそれを忘れるはずがなかった。

「まあ、今は事態が一時的に収まったようだな。秦の弟よ、私と一緒に執務室へ来てくれ。大事なものを取りに行く」

鐘九珍は鐘氏大廈に鐘家の重要な資料をいくつか保管していた。今や彼はこの建物がもはや安全ではないと感じ、...

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