章 467

秦家が危機を脱したと思ったその頃、秦朗はすでに燕京の街を離れ、まるで飛ぶように天港へと急いでいた。

夜の11時、天港北衛埠頭。秦朗は「雲頂号」というクルーズ船に乗り込んだ。

この地を訪れたのは、ただ大暴れした後の一種の休息のためだった。鍾玉との逢瀬の際、彼女が気に入った服を見つけたものの、その値段が3万元と聞いて明らかに尻込みし、財布の紐を緩める勇気が出なかったのだ。

そうだ、警備員や教師という職業の恋人にとって、給料は微々たるもの。どうして彼女がそんな高価な服を買えるだろうか。

二人の真の身分が象月教の教主であり、天山連盟の盟主であったとしても、鍾玉も秦朗も今まで組織から一銭も要求し...

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