章 616

ドンドンドン……

ガラスが割れ、奇妙な石塊がガラスと衝突した途端、突如として火の手が上がった。

黒煙が立ち昇り、渦を巻く。

炎がシューシューと燃え上がり、熱波が肌を焼く。

医館の両側は瞬く間に火の海と化した。

数人の衣服に火の粉が飛び散り、小さな炎が上がり始めた。

「火事だ、火事だ、早く消せ！」

「焼け死んじまう、逃げろ！」

「あまりにも無法だ、人前で放火するなんて」

叫び声が次々と上がり、現場は混乱の渦に巻き込まれた。桜井凌たちが消火活動をする中、見物人たちは四方八方に叫びながら逃げ出した。

孟麗麗が連れてきた一団はまず呆然とし、その後、転げるようにして後退した。

そしていつの間にか、孟麗麗...