章 545

その時、鐘大錘はすでに慌てて股引を穿いていた。

だが、ジーンズが足に引っかかり、どうしても上まで引き上げられない。

上がらなければ上がらないほど、鐘大錘は焦り、その様子は見るも無残だった。

「エリーザ、寝たかい?」

そのとき、ドアの外から陸国富の声が響いた。

「まだよ、今ドアを開けるわ」

エリーザは狼狽える鐘大錘など相手にせず、あろうことか直接陸国富のためにドアを開けに行った。

この鐘大錘なんか知ったこっちゃない!

陸国富に服装の乱れた鐘大錘の姿を見られて、あの所謂シャオホンに二言三言話でもしたら、夫婦仲が破綻しても構わないわ!

陸国富で自分を脅すなんて、エ...

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