章 605

「許玲と比べると、陸国富の格好はどちらかと言えば場違いだった。

スーツにシャツ、ネクタイという完全なビジネススタイルで、この場の雰囲気とは明らかにそぐわない。

だが陸国富はそんなことまったく気にせず、許玲の腕を取ってダンスフロアへと足を踏み入れた。

許玲は大学時代にダンスクイーンと呼ばれた女性で、クイックステップもスローフォックストロットも、バレエもルンバも。

できないものはなく、すべてを極めていた。

対して陸国富も少しは踊れた。

許玲が踊れるダンスに加えて、陸国富が得意としていたのはフェイスダンス、ポールダンス、ストリップ…まあ、やめておこう。

その後、生活の重圧...

ログインして続きを読む