章 1220

「師匠、楊羽が参りました」尼僧が告げたものの、中からは何も返事がなかった。尼僧は自ら扉を開けて入り、楊羽も招き入れた。

広い木造の部屋で、外側と内側の二つの空間に分かれていた。外側の両脇には椅子が置かれ、内側には人が一人座っていた。間には簾が下がっており、その向こうには人影が見えるものの、はっきりとは見えなかった。

楊羽はわざと目を凝らしたが、どうしても相手の姿がはっきり見えない。心の中で思った。これが噂の普賢菩薩が化身した真の菩薩なのか?本当にあんなに霊験あらたかなのか?それとも単なるペテン師か?あるいは単なる噂話に過ぎないのか?

「施主、どうぞお座りください」尼僧がそう言って、楊羽に...

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