章 20
大師は難色を浮かべた。「私が修行している寺はここからまだ徒歩で三十分ほどかかります。それに、名の知れた場所でもないので、行っても期待外れになるかもしれませんよ」
李緒はそれを聞いて逆に嬉しくなった。大師ともっと深く交流できると感じ、懇願した。「人の知らないところこそ行ってみたいんです。大師、どうか連れて行ってください」
大師は渋々ながらも承諾し、興奮を隠せない李緒を連れて小道へと曲がった。
李緒は貴重な時間を無駄にせず、大師に教えを請うた。「大師、ずっと悩んでいることがあるのですが」
「何かね」
「密教には歓喜禅というものがあると聞いたのですが……」
大師の表情が一変した。「二度と...
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チャプター
1. 章 1
2. 章 2
3. 章 3
4. 章 4
5. 章 5
6. 章 6

7. 章 7

8. 章 8

9. 章 9

10. 章 10

11. 章 11

12. 章 12

13. 章 13

14. 章 14

15. 章 15

16. 章 16

17. 章 17

18. 章 18

19. 章 19

20. 章 20

21. 章 21

22. 章 22

23. 章 23

24. 章 24

25. 章 25

26. 章 26

27. 章 27

28. 章 28

29. 章 29

30. 章 30

31. 章 31

32. 章 32

33. 章 33

34. 章 34

35. 章 35

36. 章 36

37. 章 37


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