章 26
長期休暇の件について、今では彼も平静な気持ちで受け止められるようになっていた。しかし、ラサを訪れた後、さらに海外へ足を延ばすことを決めた。
どうせ帰国後は隔離されるのだから、もう少し楽しんでおこうという考えだった。
この日の午後、彼は海岸線に沿って歩き、澄んだ水質で入りやすい場所を見つけると、あっという間に上着を脱ぎ捨て、水着一枚になった。衣服は高台の岩陰に紛失しないよう隠すと、波と陸地の境界線へ向かい、海水が足先に触れる心地よい涼しさを感じた。ここは人気のない場所で、ビーチの手入れも頻繁には行われていないため、時折鋭い貝殻の破片や小石が足裏に当たるが、その鈍い感触もすぐに波に洗い流された...
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チャプター
1. 章 1
2. 章 2
3. 章 3
4. 章 4
5. 章 5
6. 章 6

7. 章 7

8. 章 8

9. 章 9

10. 章 10

11. 章 11

12. 章 12

13. 章 13

14. 章 14

15. 章 15

16. 章 16

17. 章 17

18. 章 18

19. 章 19

20. 章 20

21. 章 21

22. 章 22

23. 章 23

24. 章 24

25. 章 25

26. 章 26

27. 章 27

28. 章 28

29. 章 29

30. 章 30

31. 章 31

32. 章 32

33. 章 33

34. 章 34

35. 章 35

36. 章 36

37. 章 37


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