章 78
その年の七月、方怀義の私塾が休みになると、蘭玉はすることがなくなった。この半年間、彼は私塾で子供たちに字の読み書きを教え、暇な時間は花壇で庭の花々の手入れをしたり、慶豊楼へ行って花小梁の芝居を観に行ったりしていた。一人は芝居が得意で、もう一人は音律に通じており、深く語り合ううちに気が合い、かなり知己としての感覚を覚えるようになっていた。
これは恐らく蘭玉が北平に来てから、最も気楽に過ごした日々だったろう。
数ヶ月が過ぎ、蘭玉の蒼白く痩せた顔色に少し血の気が戻り、眉や目元にも生気が宿るようになった。李明安たちはそれを見て、徐々に安心するようになった。
その間、李明安は蘭玉が私塾で居心地よく...
ログインして続きを読む

チャプター
1. 章 1
2. 章 2
3. 章 3
4. 章 4
5. 章 5
6. 章 6

7. 章 7

8. 章 8

9. 章 9

10. 章 10

11. 章 11

12. 章 12

13. 章 13

14. 章 14

15. 章 15

16. 章 16

17. 章 17

18. 章 18

19. 章 19

20. 章 20

21. 章 21

22. 章 22

23. 章 23

24. 章 24

25. 章 25

26. 章 26

27. 章 27

28. 章 28

29. 章 29

30. 章 30

31. 章 31

32. 章 32

33. 章 33

34. 章 34

35. 章 35

36. 章 36

37. 章 37

38. 章 38

39. 章 39

40. 章 40

41. 章 41

42. 章 42

43. 章 43

44. 章 44

45. 章 45

46. 章 46

47. 章 47

48. 章 48

49. 章 49

50. 章 50

51. 章 51

52. 章 52

53. 章 53

54. 章 54

55. 章 55

56. 章 56

57. 章 57

58. 章 58

59. 章 59

60. 章 60

61. 章 61

62. 章 62

63. 章 63

64. 章 64

65. 章 65

66. 章 66

67. 章 67

68. 章 68

69. 章 69

70. 章 70

71. 章 71

72. 章 72

73. 章 73

74. 章 74

75. 章 75

76. 章 76

77. 章 77

78. 章 78


縮小

拡大