章 508

理工大学の創立百周年記念式典は、聞こえは立派だが、実際はとことん寂しいものだった。

キャンパスの木々には安っぽい色とりどりのリボンと風船が飾られ、かろうじて祝祭の雰囲気が漂っていた。式典では卒業した同窓生たちが講堂に集まり、かつてのクラスメイトを探し出して旧交を温め、キャンパスを巡り、恩師たちと再会して思い出に浸る。

もちろん、これにも具体的な流れがある。

そして文化イベントが行われる場所も、やはり講堂だ。

昼になれば、みんなで会食する。

そして、その会食の場所もまた、講堂である。

このように一つの場所が多目的ホールとして使われるのを見ると、大学の貧相さが浮き彫りになる。そして卒業生たち...

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