章 15

彼女は醉心鼠尾草なんて全く知らなかったし、それが強力な催淫効果を持つことも知らなかった。もちろん、自分がすでに効果に取り込まれていることにも気づいていなかった。ただ蛇の交尾時の分泌物に触れたせいで自制が効かなくなったと思い込んでいた。

彼女は生粋の農村育ちだから、蛇が交尾する際に残す分泌物の恐ろしさは当然知っていた。男女問わず、そんなものに触れれば、たちまち狂ったように、体内の野蛮な欲望を発散させようと必死になるのだ。

彼女は馨香鼠尾草を探すことに夢中になりすぎて、周囲の危険を忘れてしまい、草むらで交尾していた黒色の蛇を驚かせてしまった。慌てて転んだ際、手が偶然にもその分泌物に触れてしまっ...

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