章 52

音は階段から聞こえてきた。

その声を聞いた途端、王家の五人は一斉に固まった。

王若蘭も攻撃を止め、振り返って階段の方を見た。

王心妍と周小強はその声を聞くなり、顔を見合わせて苦笑いを浮かべた。

二人とも張雨琪の声だとすぐに分かった。ただ、張雨琪がこんなにも情報通で、飛行機に乗ってでも駆けつけたかのようにこの騒動に間に合うとは思ってもみなかった。

リズミカルなハイヒールの音と共に、傲慢で野性的、冷たく硬質な美しい顔が、すぐに皆の視界に入ってきた。

廊下の状況を目にした張雨琪は、思わず息を呑んだ。

彼女は王守平のことを調べていたので、王家が代々五禽戯を修練してきたことを知っていた。王守平たちの世代...

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