章 534

蘇紅純は真っ赤に充血した目で、頬も異常なほど紅潮していた。周小強はすぐに気づいた。彼女が先ほど拾った小さな布包みには、強力な媚薬が入っていたのだろう。

周小強は少し呆れた。バッグには血清などの解毒剤をたくさん用意していたのに、唯一準備していなかったのが媚薬の解毒剤だった。なんて皮肉な話だ。

登山服を必死に引き裂こうとする蘇紅純を見て、周小強は彼女の両手を押さえるしかなかった。登山服はとても丈夫だったが、それでも彼女の小さな手は金属の留め具で引っかかれて血が出ていた。

蘇紅純は周小強の体に触れた途端、さらに興奮し、小さな唇を無我夢中で周小強の口元に寄せてきた。

周小強は強力な媚薬の恐ろし...

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