章 77

「姉さん、彼を一人で立ち向かわせるわけにはいかない。どこか安全な場所に隠れて、なるべく木を盾にして。開けた場所に立たないで」張雨琪は周囲を見回し、道沿いに木が何本も立っているのを確認すると、王心妍の手を離して急いで駆け出した。

「雨琪、気をつけて」王心妍は自分が周小強たちの足手まといになってはいけないと悟り、すぐに木の陰へと走り、幹に身を隠した。

張雨琪と王心妍のやりとりを耳にした周小強の胸に、温かいものが広がった。彼は心の中で喜びを感じ、素早く決着をつけようと決意した。張雨琪を危険にさらすわけにはいかない。そして何より、敵を王心妍に近づけるわけにはいかなかった。

周小強は冷笑すると、左...

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