章 107

「ああ、もう耐えられない」

賀宜年は理性を焼き尽くす熱波に飲み込まれ、シーツを握りしめて呻いた。「苦しい…」

「すぐ楽になるから、年年」

傅白は口を開け、賀宜年の腺体に強く噛みついた。骨の髄まで痛みが走る一時的なマークをつけたのだ。

マークと抑制剤は、まったく異なる感覚だった。

賀宜年は抑制剤に敏感で、ホルモンを強制的に調整される圧迫感がとても不快だった。だがマークは違う。最初の皮膚を貫く痛みを耐えると、フェロモンが体内に入り込み、すべての焦りが鎮められ、欲望が解放されていく。彼は傅白の腕の中で身を丸め、涙があふれ出た。

マークされたオメガは甘えん坊で敏感になり、理性を失ったようにアルフ...

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