章 36

「お前だって、いずれは結婚するだろう?」

陳豫は陳焔の手の甲を軽く叩いた。安心させるつもりだったが、陳焔は彼の胸をぎゅっと抱きしめた。痛みで跳ね上がりそうになった陳豫は、不機嫌そうな陳焔の声を聞いた。

「なんで結婚なんかしないといけないの?兄さんは僕とずっと一緒にいるべきだよ。僕は兄さんの唯一の身内で、兄さんも僕の唯一の身内なんだ。どうして僕たちの間に第三者なんているの?」

「何が第三者だ……小焔、そういう話じゃなくて……まず、兄さんを離してくれないか?」

「兄さんは僕を捨てるつもり?」

陳豫の頬が赤みを帯び、細かい汗が額に浮かんでいるのを見ても、陳焔は手を緩めようとしなかった。陰鬱な表情で兄...

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