章 19

この声を聞いた瞬間、老李はピンと耳を立て、二人の方向を特定すると、素早く彼らの方へと忍び寄った。

すぐに老李は自分に背を向けた金髪の男を目にした。男は張月月を押さえつけ、不埒な行為に及ぼうとしていた。老李は顔色を変え、この光景を見てたまるわけがなく、すぐに棒を握りしめて飛びかかった。

「この野郎、くたばれ!」老李は棒を振り上げ、金髪男の後頭部めがけて思い切り振り下ろした。

しかしその瞬間、金髪の男が急に振り返った。振り向いた途端、空から棒が自分の顔面に向かって振り下ろされるのを見て、反射的に腕を上げた。

ボキッ!

野球バットが金髪の男の腕に激しく叩きつけられ、その腕はあっさりと折れた...

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