章 77

「くそっ、間違いを犯したくないのに、思琪の言い方は明らかに自分に間違いを強いているじゃないか!」

「もっと美しい自分?まさかこの女、俺に何かを見せるつもりなのか?」

思琪にそう挑発されて、李さんの心の中の悪い考えが一気に湧き上がってきた。思琪の妖艶な姿を想像しながらも、同時に自分の良心を責め、こんなことをすれば月月に申し訳ないような気がした。

「どうでもいいさ!どうせこの年まで生きてきたんだ、狼にならないなんて損だ。上司が自ら門前に現れたんだから、わざわざ自分の体に無理をさせることもないだろう」

バスルームから聞こえる水の音に、李さんはじっとしていられなくなった。そっとバスルームのドア...

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