章 368

向雨滢は首を横に振り、「それは聞いたことがないわ。そういうものに興味がないから」と言った。

妮娅向蘭は言った。「大丈夫よ、知らないなら教えてあげる。当時、西太后の満漢全席に漢方薬を加える役目を担っていたのは二人いて、一人は向宝凱、もう一人は向宝林。この二人は兄弟だったの。一人は漢方薬を使って人体の療養に長け、向宝林の方は漢方薬を女性の美容に活かすことに優れていた。西太后は元々美を愛する人だったから、二人のうち、向宝凱よりも向宝林の方が西太后の寵愛を受けていたのよ」

張天と向雨滢は顔を見合わせた。二人とも妮娅向蘭が過去のことをこれほど詳しく知っていることに驚いていた。これらのことは向雨滢でさ...

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