章 117

幸いにも、この一ヶ月間の自宅療養中、姜婼琛は何もせず、ただひたすら台本を読み込んでいた。あの名場面の数々を、彼女は独りで何度となく演じてきた。もはや熟知し尽くしていると言っても過言ではない。

それに、この初代女帝こそ姜婼琛が最も親しみ、最も愛してきた歴史上の人物だった。彼女に関するあらゆる事績について、姜婼琛は徹底的に研究していた。この役柄に対する愛着は心の底から湧き上がるものだった。

かつての封建社会では、人類にはABOの区別はなく、ただ男女の別しかなかった。女性の地位は極めて低く、現代の女性や、オメガ、女性オメガと比べても、比較にならないほど低いものだった。

そのような状況下で、一人...

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