章 26

崇光皇子は呪いに取り憑かれていた。その呪いを解くことはできなかったが、御医は安神静気の効果がある薬を処方し、墨無痕が定期的に発症する狂躁状態を和らげることができた。ただし、墨無痕が素直に薬を飲むという前提があってのことだった。

今日の墨無痕の発作は、彼が文曲院に来なかった理由の一つでもあった。今回の七皇子の狂躁は、明らかに以前よりも深刻だった。彼は寝殿に自分を閉じ込め、普段最も信頼している女官の鸢語の言葉さえ一切聞き入れず、一人で部屋の中で薬の壺を叩き割っていた。

鳳棲宮の女官たちも近衛たちも手の施しようがなく、誰も景帝に報告する勇気がなかった。そんな時、どこからともなく侍衛の一人が「殿下...

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