章 1071

「私が一番怖れていたのは、全てをめちゃくちゃにしてしまうことだ。でもそれを話せたら、とても楽になった。全身が軽くなったような気がする」

「ウズラが中に入ってから、長い間出てこなかった。二十分ほど経ってから、ウズラが出てきた。彼は口元に笑みを浮かべながら、さりげなく俺の肩を抱いた。『もういいよ、無関心なふりはやめろよ。自分が心血注いできたものを人に取られたんだ。何も感じないなんて、そんなの嘘だろ』」

「俺は肩をすくめた。『一番心配なのは、旭さんたちのことだよ。彼らがすぐに受け入れられないんじゃないかって。みんなもうずっと前からバーを自分の家のように思ってるし、周りの人間も家族同然だからな。何...

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