章 1203

「いや、大丈夫だよ。旭兄ちゃんは署に行って情報登録の手続きをしてる。お前は入り口で待っててくれ、今から降りるから」と私は首を振って言った。電話を切り、その場に立ったまましばらく考えた。阿強が上がってこずに電話で一人で降りてこいと言うのは、私だけに話したいことがあるということだ。他の人には聞かせたくない話なのだろう。

監視室にいる人たちを見て、もう一度繰り返した。「みんな、落ち着いてくれ。もう終わったことだ。帰って俺からの連絡を待っていてくれ。杨莉たちを必ず救い出すと言ったからには、絶対に救い出す。大げさなことを言ってるんじゃない、俺には方法がある。余計なことはするな、俺の連絡を待っていろ。そ...

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