章 1229

「その場に立ち尽くしたまま、激しく鼓動する心臓と、血管を流れる血の音を感じていた。全身が冷や汗でびっしょりだ。命懸けの状況に、体中の潜在能力が一気に引き出されたような感覚。家の中へ撤退していく連中を見ながら、俺は手を上げて銃を構え、そちらに向かって乱射した。当たるかどうかはともかく、とにかく相手を怯えさせるためだ」

「撤退!早く撤退しろ!」

あちこちから叫び声が上がる。

「俺は手で汗を拭い、無意識にウズラの方を見た。彼は神がかり的な勇敢さで、真っ先に中央の家に向かって突進していた。拳銃の弾を撃ち尽くすと、ウズラは『あぁっ!』と雄叫びを上げ、そのまま家の中に飛び込んでいった。その後、中から...

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