章 212

「小さな物が、どれだけ多くの家庭を崩壊させたことか」

午前五時過ぎ、病院内は不気味なほど静まり返っていた。

「張のデブの病室に着き、ドアを開けると、すでにベッドで寝ていた。私は冷静に部屋に入り、周囲の環境を観察した。設備は充実しており、エアコン、テーブル、テレビなどすべて揃っている」

「今の社会は、金さえあれば鬼をも動かせる」

「金さえ出せば、高級病室どころか、大統領スイートだって住めるようになる」

「悪事を働くのは、基本的に人間なら誰でも生まれながらにしてできること、わざわざ学ぶ必要もない。私は針穴カメラを液晶テレビの端に固定した。前には花瓶があり、病室内でこれ以上完璧な場所はなか...

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