章 512

「俺は小物だ、立派な建前なんか語るな。これが俺だ」

前者二つだとしたら……前者二つだとしたら、俺はどうすればいいんだ?

まあいい、その時になったら考えよう。

顔を拭いて、ふと自分がこんな時に冷静でいることの不気味さを感じた。

七、八分後、白楽は三輪車に乗って酒場の前に現れ、車には十数個のガスボンベが積まれていた。車から降りるなり、彼は真剣な表情で俺を見つめた。「一緒に行った方がいいか?」

「いや」俺は首を振った。「俺が出て行ってから五時間経っても戻らないか、無事を知らせる電話がなかったら。携帯に送った住所を覚えておいて、すぐに警察に通報してくれ」

白楽は深く息を吸い込み、頷いた。「安心しろ、五...

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