章 62

目の前のこの光景が、俺の胸を締め付けるように苦しくさせる……

「死んじゃう……もうダメ……」

王麗の声は大きく、目は蕩けるように潤み、口からは涎さえ垂れている。

その艶めかしい声に俺の足はガクガクと震え、思わず中に飛び込んで加わりたい衝動に駆られた。まさに俺の命を奪うような光景だ。

以前付き合った彼女とは手を繋いだり、キスをしたりする程度で終わっていた。

「もっと……阿峰……足りない……」

王麗の高らかで興奮した声が響くたび、胸から心臓が飛び出しそうになり、江峰への羨望の念はさらに深まるばかりだ。

瞬く間に口の中が乾き、両手は意志とは関係なく下へと伸び、そこを強く握りしめた。王麗...

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