章 649

「あの時、彼は出稼ぎに行くって言ったんだ。いつか車で迎えに来て、街で俺を幸せにしてくれるって。俺はその時、外で拾った百元持ってたんだが、それも旅費にって渡しちまった。それからずっと連絡が途絶えてな、今年俺が街に治療に来るまで、彼と連絡がつかなかったんだ」

「旭兄貴、考えすぎじゃないですか?」

「旭兄貴の話を聞いていると、江峰のことを神格化しすぎているような気がした」

旭兄貴は淡く微笑んだ。「そうだろう?お前はずっと彼のそばにいなかったから、この何年かで彼の身に何が起きたのか分からない。子供の頃の目で彼を見てるんだ。人は変わるもんだ。それにお前の言動を見てると、ますます俺はお前の江峰の実力...

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