章 655

「こんな時に奴を探しに行くなんて、あいつが何か狂ったことをしないとも限らない。そんな損失は我々には耐えられないぞ。俺が言うなら、警察に通報して、警察側に三爺の始末をさせて、我々は岸から火事を眺めるだけでいい」

私は首を振った。「ダメだ。警察が動けば、騒ぎが大きくなる。砂利採石場に着く前に、三爺はとっくに尻尾巻いて逃げ出すぞ。前回あれだけ良いチャンスがあったのに、草むらを叩いて蛇を驚かせるように三爺を逃がしてしまった。今夜またあの老いぼれを逃がせば、もう二度と見つからないだろう。警察側は信用できない」

そう言うと、旭兄は立ち上がって部屋を出て行き、数分後に戻ってきた時には、大きな袋を二つ手に...

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