章 813

「私の視線が下へと移り、最後に彼女の太ももに止まると、彼女は恥じらうような表情で俯いた。彼女が拒まなければ、もう一度したかった。あの幾重にも包まれる感覚は、あまりにも心地よかった」

「浩子は家に電話をかけて一言伝えただけで、荷物を取りに帰ることもしなかった。どうせ持っていくものなんて何もないからだ」

「三人でSUVに乗り込み、私は助手席に座った。バックミラーを覗くと、浩子はかなり落ち着いている様子だった。窓の外をぼんやりと見つめ、手に挟んだタバコは半分以上燃え、灰が長く伸びたまま、ただ呆然としていた」

「浩子、家ではなんて言われたの?」

私はなにげなく尋ねた。

「浩子は笑いながら口を開...

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