章 861

「それに私はあなたの病室だけを担当しているわけじゃないのよ。他にもたくさんあるし、ずっと入口に立ってあなたの部屋を見張っているわけにもいかないでしょう?」

そう言い終えると、彼女は振り返って出て行った。

私がこれほど真剣になっている理由は、さっき小麗姉さんの気配を感じたからだ。彼女はいつも同じ香水をつけている。その香りには私があまりにも馴染みすぎていて、さっきの人が入ってきた瞬間、その気配を感じ取ったんだ。

ただ、確信が持てなかった。微微姉さんのことを考えすぎて、そんな幻覚を見たのか?それとも本当に小麗姉さんが見舞いに来てくれたのか?だとしたら、なぜ一言も声をかけてくれなかったのだろう。...

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