章 984

「他人に弄ばれるのは初めてだな。前提として、遊びも楽しみも済んだ今、雯雯たちの居場所を掘り出してくれれば、あとはなんでも話し合える」

鶉は黒い瞳をくるりと回し、笑みを浮かべた。「掘り出す、必ず掘り出すさ。今夜にでも動き出そう。まずは電話して、お前の手下を集めろ。俺の方は手を出せないから、お前自身の人間でこの件を片付けてもらわないとな」

「真面目な話だ。俺は雯雯たちの隠れ家の場所を教えるだけだ。あとはお前らで何とかしろ。捕まえられるかどうかは、お前の腕次第だ」

深く息を吸い込み、着替えを済ませてロビーに出て、銀行カードをフロントに渡す。彼女がカードを機械に通す様子を見ていると、胸が痛んだ。...

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