章 988

私は携帯を取り出し、一人ずつ電話をかけた。「そちらは見つかった?」

旭兄は電話口で笑みを浮かべながら答えた。「見つかったよ」

少し考えてから言った。「3分後に動く」

続いて白楽にも電話をかけると、彼らもすでに位置についていた。ただ、向こうはちょっとうるさいようだ。

両方の準備が整ったところで電話を切り、ウズラにタバコを一本差し出した。彼はそれをスッと口にくわえ「どうする?」

「やるぞ」

私はタバコの吸い口を噛みながら、レンガ造りの家の入り口へと向かった。赤い大きな鉄の扉だ。ノックすると、中から足音が聞こえてきた。「誰だい、こんな夜更けに?」

白髪まじりの中年女性が扉を少しだけ開け...

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