章 648

「はあ、爽快な気分だ。畜生、天は見ている。あの老いぼれスケベがようやく報いを受けたか」

私は思わず快哉を叫んでいた。沙主任は運がいい。告発することを許されたのだから。一人だけとはいえ、功績を立てたことになる。部分的な寛大処置が得られるだろう。

もちろん、沙主任が完全な自由を与えられていたなら、もっと多くの、もっと大物を告発できたはずだ。だが彼は制限を受けていたに違いない。枠は限られている。一人でも許可されたのは相当な配慮だ。彼は満足すべきだろう。

恐らく沙主任の件が波及する範囲はここまでだろう。これ以上広がれば、収拾がつかなくなる。

あの老いぼれスケベの常春流にも功績を立てて罪を償う機...

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