章 267

近づくにつれて、疲れも忘れ、歯を食いしばって上へと駆け上がった。

その手がついに手すりから離れ、ドアの開く音が聞こえた。

距離もどんどん縮まり、同じ階に駆け上がると、開かれたドアとその中へ入っていく白い影が見えた。

ほとんど手すりにすがりながら、走ったり這ったりしながら駆け上がり、ようやくドアが閉まる直前に、肩でドアを押さえた。

こんなに長い間悩まされてきたが、今夜ついに捕まえた。しかも住処まで突き止めた。喜び、誇り、興奮が一度に胸に押し寄せ、言葉にできないほどの爽快感だった。

中の人が反応する間もなく、全身の力を振り絞ってドアを思い切り押し開け、部屋に飛び込んだ。

からかってやろうと思った。...

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