章 305

「表面では紳士面(しんしめん)かましてるくせに、心の中でどんな下心があるか全部お見通しよ」と陶冬梅は容赦なく罵った。

そして話題を変え「ところで、あなたも彼と同じじゃないでしょうね?」と尋ねた。

「もちろん違うさ!」と私は正義感あふれる様子で答えた。

「それならいいわ。女性を失望させないでね。さもないと、これからどんな女性もあなたとつり合おうとは思わないわよ」と陶冬梅は言った。

知り合って何日かになるが、これまで深く接触することはなかった。

今夜の短い会話だけでも、私は陶冬梅についてより直感的な理解ができた。

とてもオープンで、さらにさっぱりしていて、どんな話題でも臆せず話し、言いたいことを...

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