章 763

彼を送り届けるしかなかった。足取りも少し怪しいので、会社の入り口で彼を支えていると、ちょうど書類カバンを持った部長が出てきた。

孫学勇のこの様子を見て、書類カバンを持った部長は当然良い顔をせず、叱りつけようとした矢先。

孫学勇に遮られた。それまで全身力が抜けていた彼が、どこからその力が湧いてきたのか、私の腕をふりほどいて前に飛び出し、部長を指差して言った。「や、やっと見つけたぞ、お前を」

「何をするつもりだ?」

孫学勇の全身からする酒の臭いを嗅ぎ、彼が突進してくる勢いを見て、部長はかえって怖気づいたのか、後ずさりしながら言った。

「何をするって?お、お前が何をしたか聞いてるんだよ」

孫学勇は部...

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