章 1004

私が自分の疑り深さを笑っていた矢先、妻が突然ビルから出てくるのが目に入った。すらりとした魅惑的なボディライン、長い美脚がハイヒールで階段を降りていく。上半身には洗練された白いブラウス、それに尻にぴったりとフィットする濃い色のミニスカートと薄灰色の艶めかしいストッキング。

サラサラの長髪と美しい顔立ちが相まって、この瞬間の妻は周囲のなかなかの美女たちよりも格段に優れて見えた。

残業するはずじゃなかったのか?どうして帰ってきたんだ?

私は心の中でつぶやいた。この間の性に対する価値観の衝撃で、妻はきっと心の中の束縛を解き放ち、欲望という扉を開いてしまったのだろう。

それこそが私が最も恐れていたことだ...

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