章 369

私の言葉が落ちると、電話の向こうから妻の美しい呼吸が少し荒くなるのが聞こえた。

「あ、あなた、相手を直接私たちの家に誘ったの?そんなの無理よ。まだ会ったこともないし、基本的なことも分かってないのに。今すごく緊張してるし怖いわ。や、やめておきましょうよ」妻の声は小さく、向こうでドアの開閉する音が聞こえた。きっと妻は話しやすい場所に移動したのだろう。

妻の緊張と不安な気持ちは理解できる。見知らぬ男性が我が家に来て、しかも妻に丸みを帯びた豊満な体を差し出させるなんて、控えめで保守的な性格の妻が拒絶するのは当然だ。

妻のことをよく知っている私は、笑いながら妻の緊張と拒絶の気持ちを落ち着かせようと...

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