章 382

「なんて綺麗なんだ!」

思わず感嘆の声が漏れた。

灯りに照らされたこの場所は、まるでおとぎ話の世界のようだ。

そしておとぎ話の世界に佇む周淑敏は、白いワンピース姿で、少し乱れた髪を風になびかせ、ピンク色の綿菓子を手に微笑んでいる。その光景はさらに美しく心に染みわたる。

「観覧車に乗りに行こう」周淑敏は遠くない場所にある巨大な円盤を指さした。

「うん」

周淑敏の声には魔力があるかのように、深く心に響き渡る。彼女が何を言おうとも、僕はすべて叶えてあげたいと思ってしまう。

観覧車の頂点で、街の夜景が一望できた。途切れなく流れる車の列、住宅の窓から漏れる灯り、その息をのむほど美しい景色に見とれてしまっ...

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